第10章 下忍の任務
下忍として任務を続けるうち、遂にあの任務がやって来てしまった。
「今日の任務は火の国の大名の護衛だ!皆、心して行けよ!」
水無月上忍がそう言ったのを聞いた途端、ルナの顔に緊張が走った。
(オビトが………来る!)
そう、原作では、この任務中に、オビトが襲撃に来るのだ。
(みんなを守らなくちゃ…………)
ルナはこの世界の未来の一部を知る転生者として、皆を守ることを誓った。
死者を出したくないルナは、ずっと気を張っていなければならなかった。
襲撃の正確なタイミングが、わからないからだ。
こんな時は、自分が記憶レスなことが恨めしかった。
「ルナ、どうかしたか?」
イタチには、ルナの様子がいつもと違うことがわかってしまったようだ。
「…………なんでもないよ、イタチ兄さん。でも、気をつけてね。」
まだ正体を明かしたくないルナは、そう言うことしかできなかった。
正体が明らかになってしまえば、ダンゾウとか大蛇丸とかに目をつけられ、面倒なことになる。
(ああ、なんてことだ。)
ルナは前世からの口癖を、心の中で呟いた。
そして、ルナは気を張ったまま、大名行列の護衛を続けた。