第50章 計画、始動
その頃、砂隠れに木ノ葉の抜け忍のうちはルナが現れ、我愛羅を連れ去ったことから、砂が木ノ葉に応援要請を出し、
それを受けた木ノ葉から、ガイ班とカカシ班が派遣されることになり、メンバーが火影室に招集され、事情を聞かされたところだった。
任務内容を説明されたとき、ナルトは驚き、サクラは少し悲しそうな顔をし、サスケはギリリと歯を軋ませた。
「…………そんな……ルナ姉ちゃんが、暁とかゆーヤツらに協力して、我愛羅を連れ去ったなんて……
…………なんでだよ、綱手のばあちゃん⁈」
「…………さぁな。私にはわからん。だが、ルナの兄、うちはイタチが暁に所属していることを考えれば、
ルナと暁が癒着していたとしても不思議はない、か…………」
叫ぶナルトに、綱手は冷静に返した。
「そう、ですか…………ルナのヤツ……一体何が目的なんだ…………」
(ここ数年、大人しくしていたようだが…………突然大きく出たな。
まあ、ルナにとっては造作もないことなんだろうが…………)
「ルナお姉様…………」
(お姉様……本当に、どうしちゃったのかしら?)
カカシとサクラが呟く。
「…………これでわかっただろ、サクラ、ナルト!アイツはああいうヤツなんだ!
お前らがいくら信じたところで、裏切られるのが関の山なんだよ!」
腹立たしげにサスケが呟く。
「…………ハイハイ、そこまでだ。
任務内容については、さっき言った通りだ。同盟国の砂からの依頼だ。慎重にこなせ。
だが…………相手はあのうちはルナだ。それを忘れるな。」
綱手がサスケを遮り、釘を刺す。
それはつまり…………もしものときは、逃げろという意味だった。
まあ、口に出して言える訳はない。任務に、犠牲はつきものだからだ。
しかし、今回ばかりは仕方があるまい。完遂不可能な任務に命を賭けろと言えるほど、綱手は火影になりきれてはいなかった。
綱手の言葉に、皆は一様に俯いた。
ルナへの恐れ、戸惑い、憎しみ…………その胸中には、様々な感情が渦巻いていたが。
その後、一言の会話もなく、ガイ班とカカシ班は木ノ葉を発った。