第10章 下忍の任務
忍猫は沢山積んであった木箱の上に飛び乗り、そのまま走り出した。
「野郎、先回りのつもりか!」
テンマがそう言って木箱の間に飛び込んだ途端、
「ぐわっ⁉︎」
と言う声が聞こえた。
見ると、目を回して倒れているテンマがいた。
木箱が人型に凹んでいることから、どうやら自爆のようだ。
「シンコちゃん、あそこに移動したよ!」
ルナは忍猫の移動先を教えた後、テンマを介抱した。
「テンマ君、大丈夫?」
「ルナちゃん……ありがとう、俺はいいから、アイツを……」
「……わかった!」
イタチがちゃんと捕まえるだろうから、ルナはあまり心配していなかったが。
「キャーーーー!」
悲鳴がした方に行くと、肉球の跡だらけになっているシンコがいた。
「に、肉球……モフ、モフ……」
(あぁいいなあ!私もモフモフされたいいぃ!)
ルナは攻撃されてどこか幸せそうなシンコを見て、羨ましくなった。
「やるな……」
イタチが呟き、忍猫を見上げた。
(まずはあの機動力をなんとかしないと……あの尻尾でバランスをとってるんだな。
でも、それだけじゃない。あの髭が空間認識力を高めているんだ。なら……)
イタチは作戦が決まったようで、忍猫に向かってクナイを投げた。
しかし、流石忍猫。なかなか当たりはしない。