第10章 下忍の任務
こちらではテンマとシンコが必死に笑い声を堪え、イタチまでがプルプル震えている。
「みんな、笑っちゃ可哀想だよ……」
ルナは自分も前世で全くモテなかったことを思い出して呟いた。
「そうなんですよ……」
「まあ一杯飲むニャ。」
忍猫が酒をコップに注ぐ。
マタタビ酒が人間にとって美味しいかは甚だ疑問だ。
「まったくわかっちゃいないんですよね、男の魅力ってやつを。
これだから女ってやつは人を見る目がないと言うか、男を見る目がないと言うか……」
(いや、おじさん&ダメンズ好きとまで言われた私が魅力を感じない中年はまずモテないよ~)
ルナは水無月上忍の苦しい言い訳に、心の中で追い討ちをかけた。
「彼女の悪口言うニャ!」
それを聞いて忍猫が怒り出し、水無月上忍の顔を引っ掻いた。
「交渉決裂のようですね。」
イタチが至極冷静に言い、駆け出した。
他の三人もそれに続く。
「ったく……最初からこいつでよかったんだよ!」
テンマが言いながらクナイを投げたが、忍猫はそれを避けた。
「ニャンだ?小僧ども。相手になってやるニャ!」
「逃がすか!」
テンマが先頭になって、忍猫を追って行った。
忍猫が去った後には、伸びている水無月上忍だけが残された。