第10章 下忍の任務
そして、掴んだ居所まで行くと、声が聞こえた。
「フラレちゃったニャ~一族の連中め!嫁とれ嫁とれうるさいんだニャ!ヒック!」
酔っ払っている猫がいた。
ルナは、私の所に永久就職しない⁉︎と言いたいのを堪えた。
(やっぱり可愛い~!)
ふと、ルナは自分が前世でよく、ダメンズ好き!と言われていたことを思い出して凹んだ。
「はは~ん、メス猫の尻ば追っかけてこげんとこまで来よったっちゃね。」
シンコがニヤニヤしながら言った。
「よし、僕が行こう。みんなはここで待機。」
水無月上忍が出て行った。
(大丈夫かな……)
ルナはかなり頼りない水無月上忍に、内心ハラハラしていた。
「ニャンだ?」
忍猫が水無月上忍に気がついて言った。
「君の話を聞いてたいへん共感したもんだから、もう少し話をしたいと思ってね。」
水無月上忍は何故か手を挙げながら言った。
「おミャーわかるのかニャ?フラレたオス猫の気持ちがニャー!」
依頼の忍猫はよだれを垂らしながら、水無月上忍に答えた。
「わかる、わかるよその気持ち!ハハハ……」
水無月上忍の表情は嘘臭かった。
それでも、依頼の忍猫は騙されてくれたようだ。
「そうか、おミャーもモテないくちニャ!」
「ウッ!」
事実が水無月上忍の心にグサッと突き刺さった。