第10章 下忍の任務
そんなことが何度かあり、とうとう、居所が判明した。
教えてくれたのは、巨大な上に二足歩行し、さらにフライパンを持った猫だった。
しかも帽子とエプロンまで、ごくごく普通に身につけていた。
「教えてくれて、ありがとう!」
ルナは三歳児らしく、手を振ってその猫と別れた。
実際は猫だらけなのが嬉しくて、精神年齢が下がっていただけだが………
「意外に早くわかったな。テンマ達を呼んで来よう。」
「呼んで来ます。」
「私も。」
イタチとルナは連れ立って、テンマとシンコを呼びに行った。
二人がいる和室の前に来ると二人が何やら話していたので、イタチとルナは耳を澄ましてみた。
「で、どげんしたと?」
「今回の任務……つうかあの忍猫のことだけどよ。そいつがちょっと特殊な猫らしいんだわ。」
「はあ?アンタいつから猫博士になったとね?」
「そんなんじゃねえ!俺らの一族の長……つうか親父が病気でよ。
治療の漢方薬にその猫のヒゲがいるらしいんだわ。」
「知らんふりばしとっちゃるけん知らんとこでとったらよかろうもん。」
「イタチとルナちゃんには絶対に言うなよ!」
「はぁ~?ケツの穴の小さか男やね!
そげん年下のイタチとルナちゃんが飛び級で、し・か・も首席で卒業したのが悔しかとね~?」
「あ、アイツとルナちゃんが居なけりゃ……」
「は?アンタが首席やったと?」
「そんなことを言ってんじゃねえ!て言うかルナちゃんは居てよかった!」
「はいは~い。」
ルナとイタチは目を見合わせた。
「聞かなかったことにしてあげようね………」
「ああ………」
イタチは無表情になって、障子を開いた。
「忍猫の居所が掴めました。水無月先生と合流して下さい。」
イタチに倣って、ルナも精一杯聞いてなかったふりをした。
が、やはりテンマとシンコは固まっていた。
二人が動かないので、ルナは、
「ほら!早く行こう?」
と言いながらニッと笑った。
それを見てようやくテンマとシンコが動き出した。