第10章 下忍の任務
そのままうちは地区内のイタチの好きな団子屋に行くと、本日売り切れ、の張り紙があった。
「売り切れでは仕方がないな……」
イタチは心なしかがっかりしているように見える。
と、そこで、ルナはこっちをじっと見ている女の子に気づいた。
(お、あれがイズミちゃんかな?)
もっとも、ルナがイタチのそばにいたせいで、
イズミとイタチは九尾襲撃以来全く会わず、アカデミーでの交流は皆無なのだが……
「あっあの!」
「どうかしましたか?」
イズミがルナに話しかけてきた。
「あっあの!これ、ルナちゃんとイタチ君に!そ、卒業祝いってことで!」
イズミが団子の袋を差し出す。
「え?貰っていいの?」
「うん!じゃあね!」
ルナに袋を押し付けて、イズミは走り去ってしまった。
「あの子は誰だ?」
「えーと、アカデミーにいた子だと思います。」
あんまり詳しく喋ると怪しまれそうだったので、ルナは適当に答えておいた。
「ま、何だかよくわからんが、よかったな。」
イタチは誰だったっけ、と言うような顔をしていた。
その後湖のそばへ行って、三人で団子をつまんだ。
「懐かしいな、イタチ。」
「そうだね、父さん。」
「?」
ルナが頭に疑問符を浮かべていると、フガクが教えてくれた。
「ここはな、イタチが初めて豪火球を放った湖なんだ。
そういえばルナ、お前に教えた時は面白かったな。
多分できないだろうと思って、庭で教えてたら、成功してしまって、もう少しで家が火事になるところだったぞ!」
「ははは……すみません。」
ルナが困ったように頭を掻き、イタチはクスクスと笑った。
そんな感じで家族団欒していると、テンマが現れた。
「ルナちゃん、イタチ、任務だ。」
「フガクさん、行かなきゃいけないみたいです。」
「そのようだな。頑張ってこい。イタチもな。」
「はい、父さん。」
「それじゃ、行くぞ!」
ルナとイタチはテンマについて行った。