第10章 下忍の任務
瞬身で火影邸からある程度離れると、ルナとイタチはフガクを見つけた。
「フガクさん!」
「父さん!」
「お、イタチにルナじゃないか。折角だから一緒に帰るか。」
フガクがそう言うので、三人並んで歩き出した。
「お前達とこうして歩くのも久しいな。」
「俺達ももう下忍。任務があるからね。」
「今日の任務は猫探しでしたけどね…」
「懐かしいな……私の最初の任務もそんなだったな………」
(えぇ?もしかして、猫探しは通過儀礼的なものなのかな……?)
ルナが考え込んでいると、フガクが呟き始めた。
「うちはが此処へ移ってから、もう三年か……
里の辺境に追いやられ、うちはの権威を失墜させる上層部のやり方に不満を持つ声は、今も根強い。
我らはいつしか権威を取り戻し、闇の中から陽のあたる……」
ルナはその願いが叶うことはないとは言えなくて、下を向いていた。
「父さん見て。」
理想を語り始めたフガクを、イタチが遮った。
その声でフガクが我に帰り、ルナが顔を上げると、うちはの人達が、フガクに微笑みかけていた。
「ふふふ。」
「ははは。」
「……何が可笑しい?」
「父さんはうちはの顔だからね。俺も一緒に歩けて鼻が高いよ。」
「私もですよ!」
「世辞を言うな。」
そう言いながらも、フガクは少し照れていた。
ルナは内心、イタチ兄さん、ナイスフォロー、とイタチに拍手を送った。
「ま、お前達の好物でも買って帰るか?」
「うん!」
「はい!」
ルナは優しいフガクさんに萌えてしまった。
(ぐはぁっ!何だろう、このときめきは……)
ルナは自分が前世でよくおじさん好き!と言われていたことを思い出して、ガックリした。