第50章 計画、始動
(ふふ、私も焼きが回ったってことかしらね…………)
大蛇丸はルナの影分身の腕の中で、自嘲気味に笑った。
「?どうかしましたか?」
それを見てルナが不思議そうに首を傾ける。
「…………いいえ。なんでもないわ。そんなことよりほら、その"光の槍"ってのを見せて頂戴よ。」
大蛇丸はルナの問いを退けると、話をはぐらかした。
「あ、そうですね。じゃ、行きますよ〜…………」
ルナが気を取り直し、印を結んだ。
(塵遁・原界剥離の術!)
ルナの手の間から白い光線が発生し、凍結した大地を一閃、薙ぎ払う。
その光に触れた物体は即座に塵と化して、音もなく崩れ去っていく。
巻き上がった雪煙が治ったとき、ビームが当たった軌跡は深さ10mほどの溝になって、地上に大きな口を開いていた。
「…………はい。どうでしょうか?三種類の性質変化を組み合わせてみたんですが?」
ルナが大蛇丸の方を向き、感想をねだる。
「どうも何も…………ルナちゃん、凄いじゃない……だってコレ、塵遁、ってヤツじゃないの…………」
(ルナちゃんは血継限界の宝庫…………それはわかっていたけれど……
…………まさか、ここまでとは…………)
流石の大蛇丸も、これはたまげたとでも言いたげだった。
「へぇ〜、そうなんですか!勉強になります。」
(やったね、李蘭!大蛇丸さん超びっくりしてるよ!)
ルナは例によって例の如く、知らないフリをしてニコリと笑った。