第50章 計画、始動
「……ルナ、洗い物手伝おうか?」
シンク一杯の食器や調理器具を見て、君麻呂が申し出た。
「あ……じゃあ、お願いできますか?」
ルナは君麻呂の気持ちが嬉しくて、弾けるような笑顔を見せた。
「…………うん。」
君麻呂はその笑顔にキュンとしてしまったことを顔には出さず、ルナの隣に立って、洗い物を手伝い始めた。
その様子を横目で見ていたカブトは、手伝うんじゃなくて代わってあげれば良いのに、と一瞬思ったが、
食卓での様子とは違い、何かお喋りしながら仲が良さそうに共同作業している二人を見て、認識を改めた。
君麻呂は…………ルナと一緒に台所に立ちたかったのだ、と。
(流石、ルナちゃん…………君麻呂君を完全に落としちゃったみたいだね……
……大蛇丸様もあんな様子だし…………器にする気、本当にあるのかなぁ?)
まぁでも、僕が気にすることじゃないか、とカブトは自らの疑問に蓋をした。
ルナを失いたくないと思っている、自分の本心に気がつくことなく。
(僕はお邪魔みたいだし……そろそろ行こうかな。)
カブトは席を立つと、ダイニングルームを後にした。
洗い物が終わった後。
ルナと君麻呂は、綺麗に片付いたキッチンでいつものように抱き合っていた。
このところ、二人きりになるとすぐにこうだ。