第50章 計画、始動
じきにルナは昼食を作り終わり、大蛇丸、カブト、君麻呂、ルナの四人分をテーブルに並べた。
「大蛇丸さーん、できましたよー!
ご注文のオムライスですよー!」
ダイニングルームのすぐ外にいることがわかっていたため、ルナはそう言って大蛇丸を呼び寄せた。
「……ふふ……待ってたわよ……オムライス…………」
大蛇丸が待ってましたとばかりにドアを開き、サッと席に着く。
「大蛇丸さん、手は洗いましたか?食事の前は手を洗いましょう、ですよ?
それに、カブトさんと君麻呂さんが来るまで待たなくちゃ。」
オムライスにがっつこうとしている大蛇丸に、ルナが笑顔で釘を刺した。
「…………洗ってくるわ……」
大蛇丸はスプーンに伸ばしかけていた手を引っ込めると、渋々席を立った。
胃袋を握るとはよく言ったものだ。
あの大蛇丸がここまで素直になるのだから。
「では、いただきまーす!」
「ウフフ、いただくわよ…………」
「…………いただきます。」
ルナの元気な声の後、大蛇丸の僅かに嬉しそうな声、カブトと君麻呂の静かな声がした。
大蛇丸は自覚があるのかないのか、ニヤつきながらガツガツとオムライスを食べている。
それを見てカブトや君麻呂が若干引いていた。
(ふふっ、食べてる食べてる。本当、卵料理好きだよねー。)
ルナは大蛇丸のいい食べっぷりを、姉か母のような気分で見ていた。
やがて皿が空になり、大蛇丸はスプーンを置いた。
「…………ふぅ。美味しかったわ。ご馳走様。」
そして手を合わせると、立ち上がって食器をシンクの中に移し、満足そうに去っていった。
その背中を、カブトは少し呆れたように、君麻呂は無表情で、ルナはニコニコ笑って見ていた。
その後、残りの三人もオムライスを平らげ、後片付けをすることになった。