第50章 計画、始動
「?……まあ、良いですけど……あ、そうだ。ちょっと失礼しますね。」
ルナはそう言うと、負傷し気を失っている我愛羅の側に移動した。
「うん?ソイツになんか用でもあんのか?」
「……いえ。本当に気絶してるか、確かめるだけですよ。
ほら、こうやって掌をくすぐって…………」
ルナが我愛羅の手をとってさわさわとくすぐる。
当然、我愛羅は全く反応しなかった。
「……うん。大丈夫みたいですね。行きましょうか。」
ルナはさりげなく我愛羅に例の指輪を嵌め、デイダラに向き直った。
「あぁ?なんだよその判別法……ま、いいや。今度こそダンナんとこ行こうぜ、ルナ。」
ルナの行動にデイダラは気がつかず、そう言って里を出ようと思ったとき。
「待て‼︎お前ら何者だ!我愛羅を返せ‼︎」
眠りから目覚めたカンクロウが遥か下から叫んだ。
「あー……デイダラさん、サソリさんのところへ行っていて下さい。ここは私が食い止めます。
私のことは待たなくて良いです。任務が最優先ですから。ね?」
ルナは予定外のハプニングにも関わらず、ニコニコと笑って、デイダラにそう言った。
むしろ、予定よりこの状況のほうが、砂に存在をアピールするのに都合が良いためだ。
「えぇ……ルナに会ったのに連れてこなかったなんて知れたら、ナニ言われるか……
…………でもま、しゃあねえか。わかった、先行ってる。気をつけてな!
ま、お前が負けるなんてありえねーだろーが。」
デイダラはルナの提案に渋々頷き、ルナから離れて、里の外へ向かった。
「…………はぁ。」
(カンクロウさん…………デッカくなったな……コワイ。
まいいや、風影様を連れ去ったのはこのうちはルナだー、ってやろ。)
地上でなんだかんだと言っているカンクロウに、ルナは溜息を一つ吐いて、下に降りた。