第50章 計画、始動
「ルナオマエ……なんでそれを知って…………」
デイダラが混乱したように呟く。
「まあまあ、いいじゃないですか。さ、行きましょう?」
かなり怪しまれていることに気がつき、少し焦ったルナはそう言って二人をケムに巻こうとした。
同時に作戦に少しばかり無理があったことに気がつく。
どうせやるなら、デイダラがピンチになったときに行ったほうが、色々訊かれなくて済んだのに、と。
「……待て、ルナ。」
案の定、サソリが低い声でルナを止める。
ルナは心の中で溜息を吐くと、二人に向き直った。
「…………お二人とも、言いたいことはわかります。でも今は、任務を優先しましょうよ。
私も、平和になった世界を見てみたい…………それだけの話です。
ほら、行きましょうデイダラさん。置いて行っちゃいますよ。」
飛龍の術でふわっと浮き上がり、デイダラに手招きするルナ。
デイダラは僅かな逡巡の後、サソリに何かコソコソと言って、粘土の鳥に乗った。
「……仕方ねー。色々訊くのは後にしてやる!でも、後で必ず教えてもらうからな!うん!」
デイダラがルナをビシッと指差して宣言した。
粘土の鳥が羽ばたき、砂煙が巻き上がる。
「……ふふっ。そう来なくっちゃ。じゃ、行きましょうか。」
デイダラの言葉に安堵すると、ルナは柔らかな微笑みを浮かべ、更に上空に舞い上がった。
それに粘土の鳥が続く。
ルナとデイダラは、空から砂隠れに侵入していった。
「…………そういや、なんでルナは、ふつーに空飛んでんだ………………?」
壁外に取り残されたサソリが呟いたのは、その直後だった。