第50章 計画、始動
(…………でも、それが私のすべきことに必要なら、なんだってやってやるもんね。
…………うん。大丈夫。多分。)
あまり自信は無かったが、そう思い込むほか無かった。
もう、後戻りできないところまで来ているのだから。
そのうち、砂隠れの壁の前に、粘土の鳥に乗って来たデイダラとサソリが現れた。
ルナは飛龍の術で、なんやかんやと話している二人の前に舞い降り、迷彩隠れを解いた。
「……こんにちは。お久しぶりです。デイダラさん、サソリさん。」
ルナが二人の前に素顔を晒し、優しく微笑む。
「…………ん?なんだオマエ……あ、もしかして……ルナか?うん。」
デイダラは前に会ったときとは雰囲気が若干違うルナに一瞬戸惑ったようだったが、すぐにそう言った。
どちらかといえば、変わってしまったのはデイダラの方で、身長が大分伸び、かなり大人っぽくなっていた。
(ルナ……なんのつもりだ?何故俺達の動きを把握している?
しかも、姿が見えるのに、気配が無い……これは、一体…………?)
サソリの方は、突然現れたルナを、黙って見ていた。
「……はい。ルナです。二年ぶりですね。デイダラさん、憶えててくれたんですね。」
ルナがデイダラを見上げ、嬉しそうに笑う。
「あったりめーだろ!ルナが帰って来ないせいで、イタチのヤツが…………
あ!そうだお前、大蛇丸のとこに行ったって……」
デイダラが急に色々なことを思い出し、一気にまくし立てる。
「……ルナ、何をしに来た?」
デイダラの言葉を遮って、サソリがルナに問い正す。
「……ふふっ。これから、一尾の回収に行かれるんでしょう?だったら、お手伝いさせていただきたいなと。」
「なっ……」
デイダラとサソリは、目的までがバレていたことに、驚いたような声を出した。
実際に驚いた顔をしたのはデイダラだけで、サソリの表情は変わっていなかった。