第50章 計画、始動
六尾の人中力の救出に成功したという連絡があってからしばらくして。
我愛羅のもとに配置した影分身から、デイダラとサソリが砂隠れに近づいているとの報告があり、
ルナは大蛇丸のアジトに影分身を残すと、砂隠れの里に向かった。
砂隠れの前で迷彩隠れを使って姿を隠し、またチャクラの気配を消して、ルナは暁の二人を待ち受けた。
(…………ここらで、砂にも悪人アピールしときたいしな…………
それに、デイダラさんの腕が潰されるのを、黙って見てるのもやだし。
二年ぶりだし、暁の皆さんが私をどう思ってるかはわかんないけど…………
まあいいや、我愛羅捕まえるのを手伝って、隙をみて指輪嵌めればいいや…………
あとは、ナルト達を蹴散らして退散と。)
ルナは、砂に存在をアピールし、暁との繋がりを匂わせることで、大蛇丸から咎められることはあまり重要視していなかった。
もう、後少しでお別れだから。
大蛇丸封印後は、カブト以外の大蛇丸の手下、君麻呂や香燐、重吾、水月などは、纏めて神隠れに放り込むつもりだった。
かなり無責任だが、世界の流れへの影響を最小限にするには、そうするしかないと思っていた。
原作での蛇や鷹のように、香燐や重吾、水月がついてきてくれるとは、つゆほども思っていなかった。
ルナにとって彼らは、自分を慰め癒してくれるありがたい存在ではあっても、
自分に味方してくれることが確約されている存在ではないからだ。
ルナは彼らを愛したけれど、信じることはしなかった。
(君麻呂さんにとって私は、敬愛し崇拝する大蛇丸を封印した敵だし、サスケじゃないから香燐さんはついてきてくれないだろうし。
重吾さんは君麻呂さんに従うだろうし。水月さんは……よくわかんないけど、期待はしないほうが良いだろうし。
…………ああ、私、大蛇丸さん封印したら、本当に一人になっちゃうんだな……)
ルナは姿と気配を隠したまま、静かに溜息を吐いた。