第49章 二年後
そのルナは、いつの間にか君麻呂の腕の中でうとうとしている。
今ならきっと、何をしてもルナは抵抗しない。
君麻呂を受け入れて、欲望の全てを解き放ってくれる…………そんな気がした。
ルナに触れている部分が熱い。
ルナにもっと触れたい。
だが、求められてもいないのにそのような行動に出ることは、ルナへの、ひいては大蛇丸への裏切りだ。
それを思い出して、君麻呂はやっとのことで、手を引っ込めた。
この行為に先はない。それをいやというほどわかっていた君麻呂は、自分の欲望を押さえつけた。
(…………危ない。)
君麻呂はなんとか踏みとどまれたことに安堵し、小さく溜息を吐くと、ルナの肩を揺すった。
「……ルナ、ルナ。起きて。こんなとこで寝ちゃダメだ。」
「………………うーん……きみまろ、さん?」
君麻呂の静かな声に揺り起こされて、ルナはゆっくりと目を開けた。
こしこしと目を擦り、眠そうに大きな欠伸をする。