第48章 奈落へ
白の言葉に、李蘭とシスイは、ある一人の人物を思い出した。
「そういえば……イタチさんのことを忘れていましたね……
……彼は、ルナ様が大蛇丸のところに向かったのをご存知なのでしょうか…………」
「……木ノ葉で大々的に発表されてるなら、もう知ってる可能性は高いが……イタチ、か…………」
シスイの心に、一つの思いが浮かぶ。
事実上うちはを見捨て、この七年連絡を取らなかった俺を、イタチは許すだろうか、と。
連絡を取らなかったのは、ルナに止められていたせいもあったが、何より…………合わせる顔が無かった。
こんなことなら、あのまま死んでしまった方が良かったのかもしれない。一瞬そう思った。
……しかし、ここで考え方を変えてみる。
生きている意味がないというなら…………もう、恥も外聞もない。ルナのために全て差し出してしまおうと。
誰に軽蔑されようとも、それさえ貫いていれば、後悔は無い。
シスイは覚悟を決めた。
「ルナ様の話では、暁とかいうS級犯罪者集団に属しているということですが……
……それに、シスイさんが生きていることは内緒にしているんだとか。
なんでも、先が読めなくなるからダメだとか……
私にはなんのことだかわかりませんが、ルナ様からそのように仰せつかっています。」
「そうか……イタチ……イタチならできなくはない、か…………」
考え込むシスイに、事情をあまり知らない再不斬と白が首をかしげる。
「その、イタチさん、とは……ルナちゃんの何なんですか?」
「ん、ああ……イタチは、ルナの兄だ。サスケ君と同じで、血は繋がってないけどな。
おそらく、ルナにとって一番大事な人間だと思う。
そうだな……ルナを止められる可能性が一番高いのはやはり、イタチか……」
「……イタチ……ルナの兄……てことは……」
再不斬は何かに気がついたように目を見開いた。