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神隠れの少女【NARUTO】

第48章 奈落へ


「っ…………」

初めて向けられた、李蘭の殺気とはまた違う気迫に、シスイ達は一瞬、金縛にあったように動けなかった。

だが、だからと言って、ルナとの絆を切ることを選べる訳もなかった。

彼等にとって、ルナは命の恩人……それ以上の何か。

シスイに至っては、ルナが存在理由になってしまっている。

そんな彼等に、ルナとの関係を失うことなど、できるはずもない。

だから、彼等は立ち向かう。

目の前の神の分身の、畏ろしき光から、目を離さずに。

シスイは、再不斬は、白は。

三人は、迷い一つなく、唯、頷いた。


シスイ達が頷いたのを見て、李蘭は神通眼を引っ込め、優しく笑った。

「………………ふっ。みなさんなら頷いてくださるような気がしていました。

ありがとうございます。」

李蘭がそう言って、深々と頭を下げる。

「そんな……頭を上げて下さい、李蘭さん。

ルナちゃんに救われた僕達は……当然のことをしたまでです。ねえ、再不斬さん、シスイさん?」

「まぁ……な。」

「……ああ。」

白の言葉を、再不斬は少し照れたように、シスイは白と同じくらい真剣に肯定した。

「そうですか……ありがとうございます。

……この李蘭、なんだか泣けてきました…………」

その言葉通り、李蘭の目には薄い水の膜が張って、うるうると揺れていた。

「……李蘭。はい、ハンカチ。」

見かねたシスイが、サッとハンカチを差し出す。

「……ありがとうございます。」

李蘭はそれを受け取って、涙をペシペシと拭き取った。

「……さてと。では、私達は私達で、活動計画を立てましょうか。

……と、その前に。白さん、なにか訊きたいことでもおありですか?」

何かを言いたそうな白を見て、李蘭は首を傾げた。
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