第48章 奈落へ
「……かっ、勘違いすんなよ!ウチはただ、サスケのことを知りたいだけで……」
(……くぅ〜っ、悔しーけど、か、か、かわいい……)
香燐がルナから離れ、再び眼鏡のつるを上げる。
これは香燐の嘘のサインだ。
つまり、ルナのことがそれなりに気に入ったということだ。
「ええ〜?そんなつれないこと仰らずに!仲良くしましょうよぉ、ね、か・り・ん・さ・ん?」
ルナが香燐の腕を抱きしめ、そうせがむ。
捨てられた仔犬のようにうるうるしたその瞳に逆らえるのは、多分大蛇丸のようなヤツだけだろう。
香燐には何故か効果てきめんだったようで、香燐の頰は彼女の髪と同じような色に、ポッと染まった。
「……わ、わ、わかったよ!わかったから、抱きつくなっ!はーなーれーろぉ!」
「……はーい♪」
(ふふ、香燐さん面白い!)
ルナは嬉しそうに笑って、香燐から離れた。
ルナと香燐がキャッキャウフフと騒いでいたその横で、カブトと重吾、いつの間にか来ていた君麻呂はポカーンとしていた。
「……カブト先生。ルナは本当に、大蛇丸様の次の器なんですか?」
ルナの能天気すぎる様子を見て、君麻呂は思わずそう口にした。
「……ああ。今はあんなだけど、昔はスゴかったんだよ……
七歳で木ノ葉の暗部の分隊長になったり……一人で上忍五十人を片付けたり……
……二つ名は、死の天使。凄まじい量のチャクラと、多様な血継限界を持ってる……伝説の里の末裔……
……ルナちゃんは最強の器さ…………今はあんなだけど。」
そういうカブトも、遠い目でルナを見ていた。
「…………」
重吾は何も言わずただぼーっと、ルナを見つめていた。
「………………かわいい。」
そしてただ一言、そう呟いた。