第48章 奈落へ
「てゆーか、ルナって何歳だ?サスケの姉ってことは、ウチより年上だよな?
の割にはちっちゃすぎね?」
香燐が自分よりも身長が小さいルナを見下ろして言った。
「はい。十四歳です。香燐さんからすると、一歳年上ってことになりますね。」
「ふ〜ん……サスケの姉さん、ねぇ……ん?そう言えば、前にどこかで会ったような……」
香燐はルナのチャクラの気配を感知して、また首を傾げた。
「ああ、流石、香燐さん!そうです、憶えてますかね?中忍試験第二の試験のときの!
あのときサスケと一緒にいた皇レイって、あれ、私です。
大蛇丸さんが来るだろうって思ってたんで、木ノ葉に潜入してたって訳なんですよ。」
「……あー、そうだ!サスケと一緒にいた、サスケ似のヤツ!あれ、ルナだったのか〜!」
「憶えててくれたんですか!……なんか、嬉しいです。」
「まーな!ウチは一度会ったヤツは忘れねーからな!」
本当はルナのチャクラの気配が少し怖かったからだとは言えず、香燐はそう言って胸を叩いた。
「……じゃあ、香燐さん。これから、よろしくお願いしますね?」
ルナはこれくらい許されるだろうと、香燐にギュッと抱きついた。
「うぉっ⁈なっ、何してんだよルナ!ウチ、そーゆー趣味はねえぞっ!」
ルナの髪から漂う香りにはからずもドキリとしてしまい、香燐は慌ててルナを引き剥がそうとした。
「……良いじゃないですかぁ、少しくらい甘えても。昔のサスケのこと、沢山教えてあげますから。
あ、そうそう、写真とかもありますよ…………見たく、ないですか?」
「うっ……そ、それは……」
目の前にエサをぶら下げられて、香燐が騒ぐのをやめる。
「……昔のサスケ、すっごく可愛かったですよぉ〜……ね?」
「……かーっ!……わかったよ。」
香燐はコホンと咳払いをすると、ルナの身体を不器用に包み込んで、背中をポンポンと叩いた。
「……ふふっ、ありがとうございます。」
ルナは甘えられる人間を取り敢えず一人確保できて、ご満悦だった。