第48章 奈落へ
「……全く、先生とナルト達、どちらが正しいのか……
サスケの話では、お前と先生はルナが使った幻術のせいで、いろいろ思い込まされているという話だったが……」
「そんな……俺は確かに……」
「……相手に気がつかれることなく他人を操れる。そういう幻術があるんだそうだ。
お前や先生がそれに掛けられているとすれば、お前と先生の記憶にはあまり信憑性が無いってことになる。」
「…………」
「それになぁ…………うちはルナの故郷だっていう、神隠れの里、だったか?
そこが滅びたからルナは木ノ葉に来たらしいが…………あまり情報が無いんだな。
火の国の奥地に位置しているらしいが……
……Sランク任務だけを請け負う、伝説の隠れ里。
忍は少数精鋭で、その全てが、神通眼と呼ばれる瞳術を保有している…………
……里人の殆どは、何故か里の外に出ることはなく、広大な里を覆う壁の中で一生を終える……
……里は特殊な結界で覆われており、許可なく立ち入ろうとすれば、チャクラを抜き取られて即死するという……
……神隠れには、百年ごとに、"依り代"と呼ばれる生贄が生まれ、それによって里の平和は保たれている……
……"依り代"は神隠れの創設者の先祖返りのようなもので、それを捧げなければ天罰が下ると言われていた……
……神隠れの創設者は異世界人で、特異な能力を持っており、その比類なき力と恐ろしいほどの美貌から、"神"と呼ばれた……
……調べてわかったのはこのくらいだ。」
「そうですか……俺が昔聞いたのも、大体同じです。ルナがその……"依り代"と呼ばれる存在であることは、聞いていますか?」
「ああ。ナルト達からも、先生からも聞いている。全く、どうりで強い訳だ。
あの子は言わば、究極のエリート。血継限界の塊。
…………世界最強と言っても、過言ではないかもしれん。
先生もよく、あんな子をうちはに任せたよなぁ………いくらうちはの血が入っているとはいえ。」
「そう、ですね……」
綱手の言葉を否定することはできず、カカシは曖昧に頷いた。