第48章 奈落へ
数時間後、木ノ葉にて。
ルナの月読で倒れていたカカシは、綱手の医療忍術で目覚めたところだった。
「……綱手様……」
「……ふぅ。目覚めたか。どうやらお前は、この前と同種の幻術にかかっていたようだぞ。」
「……ハッ!そうだ、俺の、眼…………」
カカシは顔に手を伸ばして、写輪眼が収まっているのを確認した。
(ルナ……俺の眼を、取らなかったのか……?
何故だ?)
カカシはそれについてしばらく考えてみたが、納得のいく答えは浮かばなかった。
黙り込んだカカシに、綱手が話を始める。
「……カカシ、先生とナルト達から、皇レイ……いや、うちはルナのことは聞いた。
だがなぁ、先生とナルト達の、言ってることが真逆なんだよ。
先生は、ルナは生き残ったのは不本意なことで、ずっと自分を責めていたって言うし、
ナルト……いや、主にサスケは、ルナは自分が生き残るために他人を犠牲にする最低な奴で、
しかも例のうちは一族襲撃事件の主犯だって言うし……
…………私はうちはルナとは、皇レイの姿をしているときしか話したことがないし、それも一回こっきりだ。
だから、どちらが正しいのか、私には判断できなくてな……」
「そうですか……」
(ルナ……本当にお前が、うちは一族襲撃事件の主犯なのか?
愛しているから、自分のものにしたいから、殺す…………お前は本当に、そんなことを考えるような奴だったのか?
お前は一体、何を考えているんだ…………?)
綱手の言葉を聞いて、カカシはまた黙り込んだ。