第48章 奈落へ
「……はい。おしまいです。痛み、なくなりましたか?」
「……ええ。ありがとう、ルナちゃん。医療忍術も得意なのね……」
大蛇丸は顔の包帯を取ると、両手で顔を覆った。
次に大蛇丸の顔が露わになったとき、その顔はお馴染みの、大蛇丸の元の顔になっていた。
「……医療忍術とは少し違うんですが……喜んでいただけて、良かったです。」
ルナはそう言うと、明るく笑った。
そう、ルナはこれから、暁の活動が本格化するまでの数年間、大蛇丸一味をそれなりに好きになり、仲良くやることにしたのだ。
でなければ、生きていけないと思ったから。
「……大蛇丸さん……よろしく、お願いします。」
「……ええ……こちらこそ。」
(この子は新たな、夢の器……次の転生まで、せいぜい楽しませてもらうわ……)
礼儀正しく頭を下げているルナを、大蛇丸はニヤニヤと、満足そうに見ていた。
こうして神皇寺ルナは、自ら暗黒の日々に突入したのだった。