第47章 二度目の里抜け
「……ふふふふふっ……さて、私の話は、これくらいかな……それで、みんなは結局どうするの?
木ノ葉に戻って、皇レイはうちはルナでしたって報告する?
それとも、私を抜け忍として、今すぐ始末する?それとも……
………………私に大人しく殺される?
さあ、選びなよ、サスケ。一族のみんなの仇は、今目の前にいる、この私だよ?
仇を討って、うちはを再興させるんじゃなかったの?
……………………さあ……殺せ‼︎」
「……っ!」
声の限り叫ぶルナに、衝動のまま、左手に千鳥を纏ったサスケが飛びかかる。
だが当然、 それがルナに当たる訳もなく、ルナは更に上に5mほど移動して、それを躱した。
「……サスケー、そんな跳躍力じゃ、いつまで経っても私に攻撃できないよ?
……まあ良いや。サスケはまだ未熟なんだもんね。仕方ない仕方ない。」
「くっ……」
イタチ以上の圧倒的実力差を思い知らされ、サスケが歯軋りをする。
そう、今このとき、サスケにとってルナは……思い出の中の優しい姉から、憎むべき宿敵へと変わったのだ。
ルナもそのことをなんとなく察したようで、本心を隠し、楽しそうに笑った。
「……ふふ、サスケ、今すっごく良い顔してる。きっとサスケは、これからもっともっと強くなれるよ。
強くなって、私を倒しに来なさい。じゃないと……イタチ兄さんもサスケも、殺しちゃうから。
それに、世界を平和にするつもりで、気がついたら世界滅ぼしてたーなんて、私ならあり得る話だし。
だから………………今は、殺さないでおいてあげる。
だって、私を倒すためだけに強くなった………………そーゆー奴を嬲り殺すのって、堪らなく快感じゃない?」
ルナは心にもないことをスラスラ言うと、凄まじいスピードでサスケの後ろに回り、手刀を入れた。
(姉さん……いや、ルナ……俺はアンタを……必ず…………)
サスケは薄れゆく意識の中で、もう一度復讐を誓った。