第47章 二度目の里抜け
「……イタチ兄さんは、万華鏡の開眼条件は、最も親しい友を殺すことだって言ったらしいね?
でも、それは間違い。本当は、"最も親しい友を目の前で亡くすこと"。
少なくとも、シスイさんとイタチ兄さんとフガクさんには、それが当てはまってる。
私にもうちはの血は入ってるけど、まあ、神隠れの血が強すぎて、あんまり関係なかったみたい。」
まあ、別に大して必要でもないしね、と言って笑うルナ。
「じゃあ…………どうして、兄さんや俺は殺してないんだよ⁉︎」
サスケが泣き叫ぶように訊く。
「え?ああそれは、サスケは万華鏡写輪眼の瞳術を回収するためで、イタチ兄さんは……
まあ、良いかなって。色々庇ってもらったし。
安心して?いずれは、二人とも殺して、仲良く同じお墓に入れてあげるから。
うちは一族の全ては、それで永遠に私のものになるの。
それが嫌なら………………私を倒すことだよ。ま、無理だろうけど。」
ルナはそう言うと、天使のような顔を歪めて、邪な笑顔を見せた。
「…………ああ、そうそう。世界征服したい理由ね?あれはねー………………
……まあ、なんて言うか。私一人が生きるために、数万人死んだワケじゃん。
だから、その分、精一杯生きなくちゃなーって。だから、世界征服して、私が世界を平和にしようかなって。
そうしたらきっと、イタチ兄さんもシスイさんも喜んでくれるよ!
二人とも、世界の平和を、ずっと願ってたんだから。
まあ、二人とも、平和になった世界を見る前に死んじゃうんだけどね!
あはははははははははははははははははははははははははははははっ!」
終末の谷に、ルナの笑い声だけが木霊する。
サスケ達は何を言い返すこともできず、狂ったように笑い続けるルナを見つめていた。