第47章 二度目の里抜け
「……えっと……も、もしかして……その、"依り代"っていうのは……」
サクラは話の結末がなんとなくわかっていながらも、その先を言うことができなかった。
それは、とても、とても………………残酷な話だったから。
「…………そう。第十一代"依り代"とはこの私、神皇ルナ。
依り代は本来、装置に納められるためだけに……死ぬためだけに生まれた存在…………私も、死ぬ筈だった。
まあ、そのシステムにケチつける気は無いよ。
だって、一人の命で、神隠れ全人口数万人だけじゃなく、他の命も助かると思えば、やっすいモンでしょ?」
そう言ってクスクスと笑うルナから、恐ろしいほどの狂気が溢れ出す。
「…………でもさぁ、死にたくはないじゃない?だから私、お父さんとお母さんに泣きついたの。
そうしたら…………おっかしいんだよ、私のお父さん、里長だったんだよ?
それなのに、私を装置に入れるのが嫌だからって………………神隠れの全人口数万人、丸ごと消しちゃったんだよ!
ほんっと、正気の沙汰じゃないよね!里人みんなを守るべき里長が!よりによって!
あははははははははははははははははははははっ!」
ルナは叫ぶように告白すると、あたり一帯に響き渡るような大声で、笑った。笑わなければ、泣いてしまいそうだった。
その衝撃的な告白に、サスケ達は何も言えず、大笑いしているルナを見つめるばかりだった。
「あははははははははははははははははははは……あー、おっかしい。そうそう、三代目のことだけど。
実は、神隠れの祖先には、もう一つ能力があってね。それがこれだよ。」
ルナはそう言うと、神通眼を開いて視線を眼下に向けた。
吸い込まれそうなほど美しく煌めく黄金色に、サスケ達は釘付けになった。