第47章 二度目の里抜け
「…………クスクス……嘘じゃないよ。これは本当。
フガクさんもミコトさんも……私が殺したの。
まあ、みんなあんまり強くなかったし、そこまで楽しめなかったけどね!
あははははははははははははっ!」
(うちは一族のみなさん、フガクさんとミコトさんも、私、本当はそんなことこれっぽっちも思ってませんよ!
これをネタに祟らないで下さいね…………)
ルナは、自分がうちは一族を殺したと言うことと、うちはの誇りを侮辱することで、
サスケの憎しみの矛先を自分に向けようと躍起になっていた。
しかし、その効果は思ったほど無く、サスケは怯えたような悲しげな目で、ルナを見つめていた。
「……どうして…………姉さんは、あんなに優秀で……みんなに可愛がられて……
……あの父さんとも、仲が良かったじゃないか!
なのに…………どうして……なんでだよっ⁈」
「…………ハァ。ここまで言っても、まだわからない?
イタチ兄さんはあの日、サスケになんて言ったか、憶えてる?」
ルナはやれやれと言いたげに首を振り、深い溜息を吐いた。
「…………え?」
サスケは勿論、それを憶えていた。この六年間、それを忘れたことなどただの一日も無かった。
だがサスケは、それを認めたくなかった。
自分を試す…………そのためだけに、慕っていた姉は、一族を殺しただなんて。
そのことを考えて、サスケは自分だけが、"あの日"に取り残されているような錯覚すら憶えた。