第47章 二度目の里抜け
「…………ナルト、サクラ、サスケ。俺は今日まで、お前達と色々な話をしてきた。
俺の故郷、俺の親、俺の一族……その話の中に、嘘は殆どない。だが、一つだけ、大嘘を吐いてきた。
それを、今ここで、改めよう。」
(ああ、緊張するなぁ……怖いなぁ…………でも、やらなくちゃ。)
ルナは最後の迷いを振り払い、遂に、"皇レイ"の変化を解いた。
短い黒髪が、腰まである銀髪に変わり、身体が一回り小さくなる。
赤かった目は澄んだ青に変化し、ルナは完全に、本来の姿に戻った。
が、服の方は変化の範囲に入っておらず、またルナ本人もあまり気にしなかったため、
サイズが合っていない上に、ズタズタに裂けたままだった。
その上、白い肌には、ところどころさっき流した血が固まってこびりついていた。
だが、そんなみすぼらしい姿でも、ルナの神々しい美しさは健在で、背後から金色の後光が差してくるようにまばゆいばかりだった。
「…………皇レイとは仮の名。俺……いや、私の本当の名前は…………神皇、または、うちはルナ。
サスケ、お前の姉だ。」
ルナは5mほど下で茫然としている八人に、そう宣言した。
「…………え。ルナ姉ちゃん…………?」
「ルナお姉様⁉︎でも……」
「ね、姉、さん…………?」
ナルト、サクラ、サスケが反射的に呟く。
昔知っていたうちはルナその人の特徴を色濃く残したその姿に、今目の前にいるのは本人である、その事実を認めるほかなかった。
他の五人は昔のルナとは面識がなかったが、"うちはルナ"の話は聞いたことがあったため、やはり混乱していた。
まさか、夭折した史上最年少の天才忍者、死の天使としても名を轟かせた、うちはルナが生きていたなんて、と。
「……そうだよ?ナルト君に、サクラちゃんに、サスケ。この姿で会うのは、久しぶりだね。」
「姉さん……姉さんなのか⁈」
薄く笑って軽く手を振るルナに、我に返ったサスケが叫ぶ。