第47章 二度目の里抜け
数分後。
シカマル率いる小隊は終末の谷に辿り着き、マダラ像の上から自分達を見下ろしているルナを見つけた。
「‼︎レイ⁉︎レイなのか⁉︎」
よく知った仲間の姿を見つけて、サスケが叫んだ。
「レイ、俺達と一緒に木ノ葉に帰るってばよ!」
「レイ君!大蛇丸のところへなんて行かないで!」
ナルトとサクラが、ルナを引き留めるために叫ぶ。
「……あれ、そういや、前にいたはずの小隊は…………」
「まさか……」
七班の三人をよそに、シカマルとネジは、この状況が意味することを悟って、背筋が寒くなった。
「…………ふっ。あはは…………あはははははははははははははははっ!」
ルナは必死な様子の三人と、狼狽えている五人を見て、ケタケタと笑った。
「……ふふふっ……そんな大人数で来たんだ。何人寄越したって無駄なのに。
俺は木ノ葉には帰らないよ?今日から俺は、木ノ葉の敵として生きるんだから。ふふっ………」
口元に手を当てて楽しそうに笑うルナを見て、ナルトが混乱したような顔をした。
「レイ、どうしたんだってばよ……何がそんなにおかしいんだ⁈」
「……どうしたもこうしたもないよ。これが本当の俺。本当の俺は、木ノ葉の敵なのさ。
ああそう、さっき中忍上忍の小隊に会ったんだけどさ!弱いね!もっと強いのを寄越して欲しかったなぁ。
あんなんじゃ、倒し甲斐がないよぉ。一瞬で幻術にかかって、全員寝ちゃってさぁ。やる気あるのかな?」
ルナの唇から、心にもない言葉が次々と紡がれる。
この悪態モードで行けば、なんとか乗り切れるかもしれない、とルナは思った。