第47章 二度目の里抜け
「悲しいよ…………なんで、こうなっちゃったんだろう?」
ルナは表情を悲痛そうに歪めて、転生してからの今までを振り返った。
(私、いつから間違ってたんだろう?大蛇丸に対面したのに殺さなかったとき?それとも、フガクさんとミコトさんを殺したとき?
クーデターを止めるのを諦めたとき?木ノ葉に来たとき?…………違う、そんなんじゃない……そもそもの間違いは……
………………私が、まだ生きていることだ。
……私がこの世界でずっと幸せに暮らすなんて、元から無理だったんだ…………私は本来、死ぬためだけに生まれた存在なんだから。
……私には本来、生きる資格すら無いんだから。わかってたはずだったけど、最近が幸せ過ぎて、忘れかけてた。)
ルナが辿り着いた答えは、完膚なきまでの自己否定だった。
だが、長い間その感覚に苦しんでいたルナには、その先にあるやるべきことが見えていた。
(…………でも、お父さんとお母さんに……神隠れの犠牲に生かされた以上、私には、この命を全うする義務がある。
だから…………頑張ろう。私の犠牲になった人達の分、誰かを助けるために。
まあ、最近は足し算も引き算もできなくなってるかもしれないけど、それでも…………
……イタチ兄さんのために。シスイさんのために。サスケのために。世界平和のために。
私はまだ、死ねない。)
ルナが覚悟を決めたとき、ちょうど目の前に終末の谷が広がっていた。
(さてと……サスケ達は、あと数分で来る…………それまで、台詞回しでも考えていようかな……)
ルナは瞬身でマダラ像の頭の上に移動すると、ぼうっとサスケ達を待った。