第47章 二度目の里抜け
「……さてと。お喋りはこれくらいにして……」
ルナは君麻呂の手から手を放すと、一歩下がった。
「……四人衆のみなさん。君麻呂さんに、さっきのことを説明しておいて下さい。大丈夫、すぐに終わりますから。
…………これは、命令ですよ?」
ルナはそう言うと、ニコリと笑った。
「さあ、早く、ここから離れて下さい。まあ、俺のイベントに興味があるなら、どっかから隠れて見てても良いですけど。
木ノ葉の連中に見つからないように、それだけは気をつけて下さいね!」
(折角助けたのに、殺されちゃったりしたら嫌だからな〜)
ルナはそう言って。片手を軽く振った。
「……全くレイ様の考えることはよくわからんが…………君麻呂、そういうことだ。ここを離れるぞ。」
「……大蛇丸様の次なる器は、大蛇丸様同然か……身体も治してもらっちゃったしね……わかったよ。」
君麻呂が左近に頷き、音の四人衆改め五人衆は、その場を離れた。
「……はぁ。」
音の五人衆が目の前からいなくなった後、ルナは溜息を吐き、終末の谷に向かって、ごくゆっくり移動を始めた。
(…………あと少し。あと少しで…………サスケ達が来る。
……もう…………本当に、戻れないんだ…………)
ルナの瞳に、ジワリ、と涙が浮かぶ。
無数にあったはずの未来は、いつの間にか一つに決まっていた。
それは、ルナの今までの選択の結果だ。
ルナはそのことを、よくわかっていた。
それなのに、いざそのときになって、ルナの心にもやっと、躊躇というものが生まれてきた。
(私はこれから……サスケに……正体を晒して、それで…………それでっ………
…………私が、フガクさんとミコトさんと……あと、うちは一族のみんなを、殺したって……
……言わなくちゃ……サスケが、私を、憎んでくれるように…………でも……)
「でも……」
ルナは眼に涙を溜めて、小さく呟いた。