第47章 二度目の里抜け
同刻、シカマル率いる小隊。
「…………おかしいな。静かすぎる。」
白眼のまま、ネジが呟いた。
「……確かに、そうね。トラップとかも全然無いし……」
サクラもそう思ったようだった。
「でも、レイの匂いは続いてる!ここを通ったのは間違いない!」
そう言ったキバの腕の中で、赤丸がしきりに頷いていた。
「……気を緩めるな!敵はどこから襲ってくるかわかんねーんだぞ。」
(……つっても、確かに静か過ぎる……前の小隊がうまくやってくれてるなら良いが…………)
シカマルの一言で、小隊に静寂が戻った。
サスケはずっと黙っていたが、その胸中は穏やかではなかった。
(レイ……お前の目標ってのは、一体なんなんだ……
大蛇丸のところに行かなきゃならない目標なんて、全然思いつかないが……
それに、昨日様子がおかしかったのが、里抜けを予定していたせいだったとしたら……
……お前は本当は、大蛇丸のところへなんて行きたくないんじゃないのか?
レイは昨日、吐いたのはストレスのせいだと言っていた……そのストレスの原因が、里抜けだとしたら……
吐くほど辛いストレスに耐えてまで、何故、里を抜ける?)
サスケはその先にある答えを考えたくなくて、頭を振って考え事を振り払い、現在の状況に集中した。