第47章 二度目の里抜け
そんな四人衆に、ルナはあははと軽い笑いを向けて、話し始めた。
「…………いやね。俺は、木ノ葉から追っ手が来るのをわかってて、わざとゆっくり進んでたんですよ。」
「な…………」
予想外の発言に、四人衆の喉から間抜けな声が漏れる。
「…………どうせ、大蛇丸さんは数年後にまた転生できるようになるんでしょう?
だったら、この里抜けを、一大イベントにしたいんですよ!」
「はぁ…………」
ルナのよくわからない説明に、誰かが溜息を吐いた。
「もー、溜息吐かないで下さいよぉ。大事なことなんですから!
でも、俺のやりたいことはシンプルです。
これから、俺の木ノ葉での知り合いで構成された小隊が来ます。っていうか、来てます。まだ遠いですけど。
彼らに、『うちはルナは木ノ葉の敵だ!』って、思わせたいんですよぉ。どうしても。
だから、彼らが追いつけるようにゆーっくり移動してるんです。」
(だってそうしないと、サスケが復讐対象を私に変えてくれないもんね〜)
ルナはニコニコと笑って、そう言い切った。
「はぁ…………ワケわかんねーけど、アンタの頭がオカシイってことはよくわかったぜ……」
多由也が呆れたように言った。
「まあまあ、そう仰らずに。
そうそう安心して下さい、彼らに説得されて、俺が木ノ葉に戻ることは、絶対にありません。
大蛇丸さんとの約束、ちゃんと覚えてますから。それに、その程度で戻るくらいなら、そもそも抜けませんって。
じゃ、行きましょうか。あ、罠とか仕掛けなくていいですよ、予定がズレ込むと嫌ですから。」
ルナはそう言うと、大蛇丸のチャクラの方に向かって、スタスタと歩き出した。
その破れた黒い服から覗く白い背中を、四人衆は慌てて追いかけた。