第47章 二度目の里抜け
数時間後。
「…………ふふっ。少しゆっくりし過ぎましたかね。」
四人衆に先導されて大蛇丸のところに向かっていたルナは、唐突に呟いた。
「?レイ様よぉ、そりゃどういうことだ?」
ルナの前を進んでいた鬼童丸が、ルナの言葉に反応した。
それに気がついて、前にいた左近、多由也、次郎坊も足を止めた。
「いかがいたしましたか、レイ様?」
「ん?いや。木ノ葉からもう追っ手が来てるみたいなんでね。」
ルナの言葉に、四人衆は少し驚いたような顔をする。
「……そういや、言ってませんでしたね。俺は、まあそこそこの感知能力を持ってましてね。
どこに何がいるか、大まかなことはわかるんですよ。
で、どうします?逃げますか、戦いますか?まあ、戦うのは俺ですけど。」
「いえ、レイ様を戦わせる訳には……」
左近が狼狽える。
「まあまあ、いいじゃないですかー。ちょっとそこの木の上で、耳を塞いでて下さい。行って来ます。」
「ちょっ、待っ…………」
「……左近さん?これは命令ですよ?では。」
(まあ、知ってる人はいないみたいだし、テキトーに眠らせとこうかな〜)
ルナは四人衆を置いて、木ノ葉から来た怪しいチャクラの方に向かった。
「どうも、木ノ葉のみなさん。ご足労ありがとうございます。」
ルナは木ノ葉の中忍上忍小隊の前に姿を現し、クスクスと笑った。
「!……お前、皇レイか?なんだその姿は⁈」
小隊のリーダーと思しき人物が、ルナの姿を見て叫んだ。
それもそのはず、今のルナの肌は、写真とは似ても似つかないほど浅黒く、背中からは巨大な翼が生えているのだから。
「ん?あーあぁ、これ、別にもう、出している必要ありませんね。よし、引っ込めー!」
ルナが身体から力を抜き、気持ちを落ち着かせると、黒い翼はルナの身体に吸収されるように縮み、やがて完全になくなった。
服の背中は破けたままだったが。
肌の色もくすんだ土気色から、雪のような白に変わり、ルナは完全に、いつもの皇レイの姿に戻った。