第47章 二度目の里抜け
「ナルト!おい、ナルト!起きろ!」
「朝っぱらからうるせえってばよ!起きてるっつーの!」
サスケがドアをドカドカと叩いたため、ナルトもバンッと乱暴に、ドアを開いた。
サスケはそんなナルトの様子は気にせず、単刀直入に用件を伝えるため、口を開いた。
「……ナルト、レイが里を抜けた。大蛇丸のところに向かってるらしい。」
「え?……ぬわ〜にィ⁈」
ナルトの怒りの表情が、一転して、驚きに変わる。
「詳しいことは後で話すが、さっき、奪還任務に行くことが決まった。
ナルト、お前も来い!三十分後に、門の前に集合だ!」
「わかった!すぐ行くってばよ!」
ナルトはそう言うと、ドアの奥に引っ込んだ。
ナルトへの連絡を済ませたため、サスケは一足先に集合場所に向かった。
三十分後。
里の門の前には、七班の三人と、シカマルが選んだ四人がいた。
「……ナルト、サクラ、サスケ、チョウジ、ネジ、キバ、リー……と俺。とりあえず八人、集まったな。」
シカマルがやれやれ、と言いたげに言った。
「綱手様いわく、俺達の他に、中忍上忍で構成された小隊が、既に派遣されているらしい。だが……相手はあのレイだ。
単純な戦闘力だけじゃ、レイを連れ帰ることは難しいかもしれない……俺達は、そのための保険らしい。
だが、レイを連れて行った音の忍と交戦する可能性は十分にある。気を引き締めていけ!
前に小隊があるとはいえ、俺達は追う側だ。つまり、敵に先手を取られやすいってことだ。
だからこれから、敵の攻撃に即座に対応できるフォーメーションを決める。
俺の指示無視してっと、死人が出るかもしれん。よーく聞いとけ!」
「…………シカマルが、やる気になってる……」
いつになく真剣なシカマルに、ナルトがポツリと呟いた。
ネジやリー、チョウジまでが、驚いた顔をしている。
「……チッ……確かに俺らしくもねぇ。」
シカマルが自嘲気味に溜息を吐く。
「……だがな、俺はこの小隊の隊長だ。お前らの命を預かってる。やるっきゃねーだろ。それに俺は……
…………レイを、止めたい。」
シカマルの言葉に、皆が息を飲む。