第47章 二度目の里抜け
十分後。
火影室には、サクラとシカマルが来ていた。
「……来たか。突然だが、昨日夜遅く、皇レイが里を抜けた。ほぼ間違いなく音の里に向かっている。」
「なっ……⁈」
綱手の言葉を聞いて、シカマルは目を見開き、サクラは沈痛な面持ちで俯いた。
「それで、お前を呼んだのは、皇レイ奪還任務についてもらうためだ。」
「ちょい待って下さいよ!そんな任務、中忍になったばっかの俺が……」
シカマルが慌てたように言う。
「……わかっている。お前達の他にも、中忍上忍で構成された小隊を派遣する。ただな……
……里抜けしたのは、皇レイだ。噂じゃ、かなり強いらしいじゃないか。」
「それは、もう……」
(噂じゃ、上忍レベルを超えてるらしいし……レイの実力は、はっきり言って未知数だ……)
シカマルが、言わずもがなだ、と言いたげに呟く。
「そういうことだ。皇レイを連れ帰るには、知り合いのお前らの力も必要だってことさ。」
綱手はそう言って溜息を飲み込んだ。
「……わかりました……一つ、聞いても良いですか?」
「なんだ?」
「……レイは、どうして里抜けを?」
「さぁな。サクラの話じゃ、なんでも、目標があって、そのためには大蛇丸のところに向かうのは避けられない、だそうだ。」
「そうですか……」
(なんか、レイらしい理由だな…………)
シカマルが呟く。
このときシカマルは……認めたくはなかったが……ルナを連れ帰るのは至難の技なのではないかと、チラッと思った。