第47章 二度目の里抜け
ほぼ同刻、木ノ葉にて。
「おいお前、こんなところで寝てると風邪ひくぞ!」
「……はっ!」
イズモに耳元でパチパチと手を叩かれて、サクラは眠りから目覚めた。
いつの間にか掛けられていた毛布に、サクラはルナが木ノ葉を抜けてしまったことを思い出した。
「……レイ君っ!」
サクラは毛布をひっつかむと、イズモにお礼を言うのも忘れて、火影室に大急ぎで向かった。
「綱手様!」
火影室のドアを乱暴に開け放ち、サクラが叫んだ。
「……む、なんだサクラか。どうした、そんなに慌てて。」
そう言って目を擦った綱手の顔には机の跡がついていて、ついさっきまで居眠りをしていたのがバレバレだった。
「綱手様!レイ君が……皇レイが、昨日、木ノ葉を抜けました!」
「なにィ⁈」
サクラの言葉に、綱手が机をバンと叩いて立ち上がる。
「それでっ……レイ君は、大蛇丸のところに行っちゃったみたいなんです!」
「大蛇丸⁈……なんてこった……」
綱手がそう呻いた直後、火影室にコテツとイズモが入って来た。
「はぁ……ちょうどいい。コテツ、イズモ、お前ら、奈良のところの息子を呼んで来てくれ。」
綱手は溜息を一つ吐くと、そう命令した。
コテツとイズモは、顔を見合わせると、火影室を出て行った。
「綱手様、私……」
「これから、シカマル達には、皇レイ奪還任務に向かってもらう。
サクラ、お前の同期に、皇レイの顔は知れ渡ってるのか?」
「はい、それは……でも、直接の面識がある人は、多くないと思います。」
「そうか……サクラ、お前は最近の皇レイが写ってる写真を持って来い。」
「はい!」
サクラはそう返事をすると、火影室から走って出て行った。
「…………皇レイ……あの子が、ねぇ……」
(こりゃ、先生にも話を伺わなくちゃならんかもな……)
サクラが出て行った直後、綱手は一人呟いた。