第47章 二度目の里抜け
無言で移動を続け、東の空が明るくなって来た頃、四人衆が急に立ち止まった。
「……このあたりでいいでしょう。もう木ノ葉は抜けました。」
左近が言う。
「……実は、大蛇丸様から仰せつかったことが、一つあります……あなたに一度……
………………死んでいただかねばなりません。」
「ふふっ、望むところです。大蛇丸さんの呪印VS神隠れの末裔の再生力、みたいな感じですかね!
あははははははははははははははっ!」
ルナはずっと黙っているうちに気が少しおかしくなったのか、
それとも木ノ葉を抜けて吹っ切れたのか、状況に似合わない明るい声でケタケタと笑った。
実際には、面白くもなんともなくて、この辛気臭い空気をどうにかしたかっただけだったが。
予想外のルナの反応に、四人衆は一瞬ドン引いていた。
が、すぐに気を取り直すと、左近がルナに、丸薬の入った小瓶を差し出した。
「……レイ様には、この醒心丸を飲んでいただきます。
今のレイ様の呪印は状態1……これは、それを状態2に無理矢理覚醒させるもの。
状態2になれば、身体の侵蝕スピードが上がり、数分で死んでしまう……
……使いこなすには、長い時間をかけて、身体を状態2に慣らす必要がある……
……ですが、心配はご無用です。我々の結界忍術で呪印の副作用を抑え込み、永久の死から仮死状態へ、段階を和らげます。」
「そうですか。じゃ、お願いします。」
ルナはリュックサックを下ろし、瓶から醒心丸を取り出して掌に転がすと、躊躇いもなくあっさり、それを飲み込んだ。
これで死ねたら楽なのに、と頭の片隅で思いながら。