第46章 暇乞い
食事の後、サスケが緑茶を淹れ、ルナは最後の三人でのお喋りを楽しんでいた。
「そっかー、今日は二人とも、一日中修業してたんだぁ。頑張ってるね。」
「おう!もっと強くなって、そんで俺は、火影になるんだ!」
「ふふ、そうだね。」
いつものように夢を語るナルトに、ルナは優しく笑い返した。
「…………」
(ナルトの夢は、火影になること……じゃあ、俺の夢は…………)
サスケは、イタチを殺すという自らの目標を思い出して、黙りこくっていた。
サスケが何を考えているのか悟ったルナも、敢えてサスケの沈黙には突っ込まなかった。
(サスケ……あと何時間か後には、イタチ兄さんを殺そうなんて、思わなくしてあげるから……
……だから、ちょっとだけ、待っててね。)
皇レイ奪還任務にサスケとナルトが派遣されることを予期していたルナは、終末の谷で、
サスケとナルト、ついでにカカシに、自分の正体を教え、ルナがフガクとミコトを殺したことをダシに、
うちは一族を皆殺しにしたのは実はルナで、イタチはルナを庇って汚名を着ただけに過ぎないという、
史上最大の真っ赤な嘘を吐くつもりだった。
だが実のところ、別天神を使用してクーデターを止めることは不可能ではなかったのに、
うちは一族の誇りとアイデンティティを尊重してそれをやらなかったことを、ルナは割と本気で、
"うちは一族はみんな私が殺した"
と思っているのだった。