第46章 暇乞い
一族を皆殺しにした動機については、イタチに倣い、
『自分を試すため』
と説明し、皇レイとして木ノ葉に潜入していた理由については、
『イタチのところにいられなくなったから。また、サスケという獲物を大蛇丸にとられたくなかったから』
と言い、大蛇丸のところに行く理由については、
『力をくれるから。あと、木ノ葉の連中と馴れ合うのが面倒になったから』
という、わけのわからない説明で適当にケムにまくつもりだった。
(サスケ、ワケわかんないと思うけど……ごめん、他にいい理由が思いつかないや。
ま、いいや。終末の谷で、私が敵だってことを、いやというほど見せつけてあげるから。
これからは、イタチ兄さんの代わりに、私を憎んでね?)
ルナは黙って緑茶を啜っているサスケの横顔を見て、何故か………楽しそうに笑った。
勿論、心から楽しい気持ちでいる訳ではない。
ただ……笑いでもしないと、気が狂いそうだった。
食後のティータイムが終わって、ルナが遠慮するのも聞かずに洗い物などの後始末を終わらせたサスケとナルトは、帰ることにした。
「んじゃ、レイ、今日はゆっくり休めってばよ!じゃな!」
「レイ、無理はするなよ。それじゃ。」
「うん、じゃな、二人とも。今日はありがとう。また明日!」
ルナは最後まで、笑顔で二人を見送った。
ルナの部屋のドアが、パタン、と音を立てて閉まる。
時計を見ると、七時を回ったところだった。
「……さてと、そろそろ準備、始めますか。」
ルナは呟くと、荷物を纏め始めた。
「……なあ、ナルト。」
「……ん?なんだよサスケ。」
ルナの家のドアの前で、サスケが立ち止まり、自分の家に入ろうとしていたナルトを止めた。
「……いや、やっぱりなんでもない。またな。」
サスケはナルトに、『今日のレイ、なんか変じゃないか?』と言おうとしてやめたのだった。
ナルトにはわからないだろう、と思って。
翌朝、それを悔やむことになるとも知らず。