第46章 暇乞い
数十分後。
「レイ〜、できたってばよ!食えそうか?」
ナルトがベッドで寝ていたルナの肩を軽く揺すって訊いた。
「……ん、ナルトか…………うん、大丈夫。少しお腹空いてきた。」
「そっか、よかったってばよ!こっちに持ってきた方がいいか?それとも、そっちのテーブルで食うか?」
「うーん……そっちで、ナルトとサスケと一緒に食べたいかな。」
そう言いながら、ルナはゆっくりとベッドから這い出して、自立した。
「なら、そこ座れってばよ!ほら、レイのいつもの席!」
ナルトとサスケの席の向かい側の椅子を指差して、ナルトがぴょんぴょんと跳ねる。
「うん。ありがとう。」
ルナはそう言うと、ナルトに先導されていつもの位置についた。
「……レイ、無理に食べなくていいんだからな。
じゃあ……いただきます。」
「いっただっきま〜す!」
「……いただきます。」
サスケ、ナルト、ルナの三人は、手を合わせて食事の開始を宣言すると、
おにぎりと味噌汁と漬物で構成された、簡素な夕食に手をつけた。
大きめにふわっと握られたおにぎりの端を、ルナが一口、嚙る。
つやつやもちもちに炊きあがっている白米の仄かな甘味と、昆布の塩気が調和していて、とても美味しかった。
口をもぐもぐと動かしているルナの顔を、サスケとナルトがジッと見ている。
二人の、ルナの反応が気になって仕方がない、という様子が少し面白くて、
口の中のものを嚥下したルナは、ふふっと笑った。
「あはは、そんなに心配しなくても平気だよ。ちゃんと美味しいよ?
……二人とも、ありがとう。」
ルナの言葉に、ナルトの顔はパアッと明るくなり、サスケは少し頰を赤らめて、ポリポリと頭を掻いた。
「よかった〜!俺ってばあんま料理しないから、ちょっと心配だったんだってばよ!」
「そうか……まあ、よかった。」
(レイなら、たとえ大失敗でもああ言いそうだが……でもま、喜んでくれたみたいで良かった……)
ルナの反応に安心した二人は、ガツガツとおにぎりを平らげ、簡素で楽しい夕食会はしばらく続いた。