第46章 暇乞い
(レイは確か……卒業試験間際に越して来て……同じ班になって……色々、一緒に任務をこなして……
……俺が初めてレイの強さを思い知ったのは、波の国だったか。
レイはあのザブザとかいうやつと、白とかいうスカしたやつと…………そして俺達を守るために、大量殺戮を……)
サスケの脳裏に、ルナの頰に伝っていた涙の輝きが蘇った。
(……レイはいつも仲間のために……俺じゃ到底背負いきれないもの、全部背負って戦ってた……
死の森で俺達を大蛇丸から守り切ってくれたのもレイだ。木ノ葉崩しのときに追って来てくれたのも……
……偶然かワザとかはわからんが、イタチの幻術から守ってくれたのもレイだ。
俺はこんなにレイに守られているのに、何も返せていない…………
……どうしたら……どうすれば、俺はレイの助けになれる?何故レイは、こんなにも苦しんでいる?
レイ、どうすればお前は、楽になれるんだ…………)
サスケがルナの顔を見つめながらそう思っていると、ルナの瞼がピクリと動いた。
「……う……サス、ケ?……と、ナルト?」
意識を取り戻したルナが、ゆっくりと起き上がる。
「‼︎レイ!よかった……」
「レイ〜!よかったってばよ!心配したんだぞ!」
サスケは一安心してふうと息を吐き出し、ナルトはなんと、ルナの首を抱きしめて喜んでいた。
「あはは……ごめん。ところで、なんで二人ともいるの?」
手洗いで気を失ったところで記憶がぷっつり途切れているルナは、この状況に疑問を感じて、そう訊いた。
「なんでって……そりゃ、今日はレイの家で晩メシの日だから、
サスケと一緒にレイんち来たら、明かりついてねえし、ドアの鍵かけてなかったし……」
「……え?今なんて言った?」
ルナはナルトの言葉に耳を疑い、聞き返した。