第46章 暇乞い
「う〜ん、そうね……クールでカッコよくて、一匹狼みたいなところかなぁ……まあ、それだけじゃないけど!
サスケ君には、他にもいいところがたくさんあるし。」
(そういえばレイ君は、雰囲気が柔らかくて優しそうでカワイくて、なんか抱きしめたくなるーみたいな理由で人気だったわね……
…………見た目は少し似てるのに、人気の理由は逆なのよね…………)
サクラは少し考えた後、そう言ってニコニコと笑った。
「……そっか。良かった。」
ルナはそれを聞いて薄く笑うと、向かいに座っているサクラの顔を見つめた。
「…………サクラ。この先、何かあったとき、サスケを支えてやってくれ……サクラならできると思う。」
(ごめんねサクラ、ずっと騙してて……無責任で本当にごめん。でも……サスケは頼んだよ。)
ルナは気がつくと、そう呟いてにっこりと笑っていた。
「もー、どうしたのレイ君、いきなりそんなこと言って!
……でも、望むところよ!」
(レイ君、一体どうしたの……?まるで、明日死ぬから後は頼んだ、みたいに……)
サクラは流石におかしすぎるルナの言動に嫌な予感がしたが、それを口には出さなかった。
それを口に出したら……今すぐに現実になってしまいそうな気がして。
「あー……ごめんごめん、なんでもないよ。忘れてくれ。」
(あ、ちょっと言い過ぎた?でも、サクラそんなに気にしてないみたいで、良かった。)
ルナは口を滑らせたことを自覚して、軽く頭を掻き、照れ笑いを浮かべた。
そうこうしているうちに二人は和菓子を食べ終わり、会計になった。
ルナは今朝カカシがやったように、サッと財布を出してここは俺が払うよと言っていた。
会計を済ませ、再び荷物を持ってサクラを家まで送った後、ルナは傾き始めた天道の下を、ぼうっと歩いていた。