第46章 暇乞い
「見苦しいって……でも俺、そんなに気にしてないよ?
まあ、お前のすぐ自分を犠牲にしたがるトコは、確かに改めて欲しいけどな?」
(そう……レイの言う、"人の言うこと聞かない"のって、イコール、他人に犠牲を払わせないことだからな……
だから……なんて言うか、精神が未熟とかとは、なんか違う気がするんだよな…………)
カカシは自嘲地味に語るルナが少し気の毒になって、少し笑ってそう言った。
「……ありがとうございます。」
(すみません、カカシ先生……それは、多分、いや絶対、無理です。お気持ちはありがたいですが。)
ルナは何に対して礼を言っているのかははっきりさせず、ただ一言、そう言って軽く頭を下げた。
「……じゃあ、俺、用事があるんで、そろそろ行きますね。ご馳走様でした!」
(カカシ先生…………さよなら。騙してごめんなさい。)
これ以上一緒にいると真意を悟られそうだと思ったルナは、そう言って気持ちの良い笑顔を残すと、カカシの前から走り去った。
「…………レイ、死ぬなよ。」
カカシは届かないとわかっていながらも、ルナの背中にそう呟いていた。