第46章 暇乞い
「……とにかく、李蘭さん達にも知らせましょう。」
「ああ……行こう。」
白の言葉に再不斬とシスイは頷き、李蘭の家に向かって駆け出した。
家の戸を叩くと、李蘭がひょこっと顔を出した。
早朝の訪問に不思議そうな顔をしている李蘭に、シスイが沈痛な面持ちで、ルナからの手紙を差し出す。
それを読んだ李蘭の目がみるみるうちに見開かれ、涙が溜まる。
そんな李蘭をこれ以上悲しませたくないと思いつつも、シスイは、ルナが大蛇丸のところに行ったことを告げた。
それを聞いた直後、李蘭の瞳から大粒の涙が溢れ、李蘭は崩れ落ちて膝をついた。
地面に伏せた李蘭の喉から、聞いている方も胸が裂けそうなほど、悲嘆に満ちた嗚咽が漏れる。
それを他の三人は、ただ黙って聞いているしかできなかった。
しばらくして、落ち着きを取り戻した李蘭と一行は、那由他の家に向かい、那由他にもルナの手紙を渡した。
那由他は他の四人とは違い、悲しみよりも、ルナを止められなかった自分への怒りでいっぱいになっているようだった。
拳をぶるぶると震わせ、唇を噛み締めて涙を流す那由他をなんとか動かして、
一行はいつもは食堂兼集会所として使っている建物に向かった。
「…………それで、ルナちゃんは何故、大蛇丸のところへ……?」
白が、皆の頭の中を代弁して呟いた。
「わかりません……私には、全くわかりません……ルナ様はとてもお強い方。
本気を出せば、大蛇丸を殺すなんて、息をするより容易いことのはず。
なぜ、大蛇丸のところなんかに……」
李蘭が、解せぬ、という風に考え込む。
シスイは考えられる理由を思いついて、口を開いた。
「……もしかして……ルナはなんらかの理由で、大蛇丸を殺したくない、とか?」
「うーん……」
シスイの言葉に、皆が考え込む。