第46章 暇乞い
シスイは家を出てすぐに、朝の修行に出かけようとしている再不斬と白に出くわした。
「……あ、シスイさん、おはようございます。」
「…………再不斬……白……」
ルナはもう帰ってこない。
それを口にするのが怖くて、シスイは無言で、ルナからの手紙を二人に差し出した。
「……?これは一体……」
「……読んでくれ…………ルナからの、手紙だ。」
頭上に疑問符を浮かべている白に、ルナの手紙を渡す。
シスイのしょぼくれた様子を怪訝そうに見ていた再不斬も、二つ折りの白い紙を一枚、受け取った。
「……これはっ!」
手紙を読んだ白が、驚いたように険しい顔になる。
再不斬も眉間にシワを寄せて、小さな紙片を睨んでいた。
「……それには書いてないが…………ルナは、大蛇丸のところに行ったらしい……」
「なっ……」
シスイの言葉に、再不斬と白が驚愕の表情を浮かべる。
「ルナちゃんが、大蛇丸のところへ……?どうしてそんなこと…………」
「……多分、弟のサスケ君の代わりになったつもりなんだ、ルナは。」
疑問を口にする白に、シスイが憔悴した様子で答える。
「でも、だったら何故……ルナちゃんなら、大蛇丸を倒すのも不可能じゃないんでしょう?
どうして、大蛇丸の言いなりになる必要が……?」
「……そうだ。俺もそれを疑問に思っていた。」
白と再不斬が、答えを求めてシスイを見つめる。
しかし、それはシスイにもわからないことで、シスイは首を横に振るだけだった。
「……わからない。わからないんだっ……朝起きたら……ルナが丁度行ってしまおうとしているところで…………
……引き止めたけど、ダメで…………」
頭を抱えて呟くシスイに、再不斬と白は黙り込むしかなかった。
再不斬と白もそれなりに衝撃を受けていたが、シスイのが取り乱しているのを見ているせいか、それを顔には出さなかった。