第46章 暇乞い
「……さあ〜……なんででしょうね……まあ、予定では二年か三年ほど後に、わかることですよ。
それまでどうか、お楽しみに☆
ただ一つ言えるのは……イタチ兄さんもシスイさんも、きっと最後には笑ってくれますよ。
あ、李蘭と那由他に、言っておいて下さい。
"大蛇丸は、殺させないよ?"
って。じゃ、よろしくお願いします。では。」
(……シスイさん、さよなら。)
ルナは無表情から一気に、精一杯明るい笑顔を作ると、飛雷神の術を使用し、神隠れからいなくなった。
「……ルナーーーーーーっ!」
後にはシスイの叫びだけが、無残に残された。
「……どうして……なんでだよ!どうしてお前が、大蛇丸のところなんかに……」
シスイはひどく悔しそうに、無念そうに顔を歪めた。
答えの全く出ない問いに、シスイは自分の無力さを思い知った。
(俺じゃルナを繋ぎとめられないということか……
……俺は、一体なんのために、ここにいるんだ?何故、なんのために、俺は…………)
どこを見ればいいのかわからず、シスイの視線が空っぽの部屋の中を泳ぐ。
そこで、ふと、机の上に並んでいる、五枚の紙に気がついた。
「……これは……」
二つ折りにされているそれの表面には、それぞれに名前が書いてあった。
"李蘭へ"
"那由他へ"
"シスイさんへ"
"再不斬さんへ"
"白さんへ"
それを見てシスイは理解した。
ずっと前……シスイ達がルナの態度に違和感を感じ始める前から…………
……いや、サスケを守るために木ノ葉に潜入すると決めたとき既に、ルナが大蛇丸のところに行くつもりだったことを。