第46章 暇乞い
「そうだな……まあ、ルナを敵に回したのが、運の尽きってとこだな、そりゃあ。」
(この俺だって、ルナには到底敵わん……小雪とかいう奴、運のいい奴だな……いや……
…………敵対していたにも関わらず、気に入られた俺達の方が、よっぽどラッキーか……)
再不斬が呆れたように呟く。
「そうですね……運の尽きもいいところですね……」
(ルナちゃんを敵に回して生きていられる忍が、この世界に存在するのかも怪しいですし……)
白も意味深に呟いた。
そんな二人に、ルナが軽く苦笑いを返す。
「もー、再不斬さんも白さんも、私のことなんだと思ってるんですかー。私は一介の中忍ですよ?昔も今も。
それに、今回の任務、一人も殺してないんですから。まあ、再起不能にはしましたけど。小雪さんが、殺さなくていいって仰ったから。」
「そうですか……まあ、ルナ様が木ノ葉の任務を楽しんでおられるようで、なによりです。」
(小雪さんとやら……ありがとうございます。ルナ様に手を汚させずに済ませてくださって。)
李蘭は心の中で小さく、小雪に感謝した。
「まあとにかく、小雪さんが主君になって、雪の国は平和になりましたとさ、ちゃんちゃんってことです。
別天神使って、小雪さんの命を狙うことはできないようにしてますから、報復の心配もありませんし。めでたしめでたしです。」
ルナは明るく笑って、そう宣言した。
「それは良かったですが……ルナ様、くれぐれも、ロクでもない輩に踊らされないで下さいね。
ルナ様はとてもお強いです……だからこそ、ルナ様の弱みに付け込もうとする輩が出てきてもおかしくありません。
そういうときは、一人で抱え込まず、私達を頼って下さい。」
李蘭は当たり障りの無いようにルナに接しようと思いつつも、思わずそう口走っていた。
「うん。李蘭、ありがとう。」
(ごめん、今、ロクでもない輩に絶賛つけ込まれ中だわ!)
ルナはほんの少しの罪悪感を覚えつつも、そう言ってふわりと笑った。