第46章 暇乞い
「たーだいま……みんな、久しぶり……」
ルナが食堂に入ると、皿を運んでいた李蘭が、いち早くルナに気がついた。
テーブルについていた他のメンバーも、李蘭の言葉にサッと反応した。
「‼︎ルナ様!」
(本体のルナ様……ということは、回復なさったということですね!よかった……)
李蘭が素早く皿を置いて、ルナに駆け寄り、そのままの勢いで、ルナにギュウっと抱きついた。
「あはは、李蘭どうしたの?苦しいって。」
ルナが苦笑いして、李蘭の肩を軽く叩く。
「おや、これは失礼いたしました。すみません、久しぶりだったもので、つい……」
(……はっ!つい、いつもより強くやってしまいました……紅桔梗様のことはルナ様には内緒にしなくてはいけないのに……)
李蘭は自分が神隠れの住人達との約束事を破りそうになっていたことに気がつき、慌てて取り繕った。
「……ルナ、お帰り。」
(李蘭の様子じゃ、多分本体のルナが帰って来たんだろうな……よかった。)
シスイもルナ復活に一安心しながら、努めていつも通りに、ルナを歓迎した。
「……ルナ、しばらくぶりだな。」
(この気配は、間違いなく本体……数週間の訓練の甲斐があったか……)
那由他も元気そうなルナを見て、密かに胸を撫で下ろした。
「……久しぶりだな。元気だったか?」
(本体のお出ましか……やれやれ。)
再不斬が小さく息を吐き出す。
「ルナちゃん、お帰りなさい。」
(李蘭さんのあの反応……どうやら、本体のようですね。)
白も少し安心して、笑顔でルナを迎えた。