第45章 宴の後
「あー、気持ち悪かった…………それで、カカシ先生が次に訊きたいのはこれでしょう。
何故、俺はドトウを殺さなかったか。ドトウにドトウの肉を喰わせたか。
ふふっ、その答えは単純ですよ。
簡単に言うと…………俺は、ドトウが小雪さんに謝罪しないまま死ぬのが許せなかったんです。
だから、殺さなかった。そして、肉を喰わせた理由は…………………ドトウを絶望の底に叩き落としてやりたかったからです。」
ルナは唇の端をゆっくりと吊り上げてニヤニヤと笑い、カカシにそう言った。
「そうか…………お前は、小雪さんの気持ちを、誰よりも大事にしてたからな…………」
(ドトウに謝らせたい気持ちはわからんでもないが…………ドトウを絶望の底に、か……………
……………レイがそんなことを思うなんて、少し意外だな……それに、レイがまさかそんな拷問を思いつくなんて………………)
カカシはルナの説明に納得しながらも、ルナの言ったことにドン引きしていた。
ルナは引いているカカシを見て、消えてしまいそうなほど淡く笑い、目を閉じた。
「……………わかってます。やり過ぎだってことくらい。
でも………でも俺、ドトウが許せなかったんです。小雪さんから、幸せを奪ったあいつが…………だから……………」
「……………だから、小雪さんに代わって、ドトウに復讐した?」
ルナの言わなかったその先を、カカシが続けた。
「そう………復讐したんです。」
ルナはそう呟いて、カカシに背を向け、雪の国がある方角を向いた。
そんなルナの背中に、カカシが厳しい視線を投げかける。
「……………レイ、確かに、今回はそれで良かったかもしれない。復讐だけじゃなく、意味のある目標があったからな。
だが…………そうじゃないやつには、決して手を貸すなよ?たとえば…………」
「……………たとえば……サスケとかですか?」
ルナは振り向いて、さっきとはうって変わって、真剣な表情で言った。